サイコロジーオブマネーを読了しました。
よかった所が多すぎて何が良かったのかよくわかりません。
漫画や脚本をする上で「ログラインを書け」とはよく言われたもので、短く完結にその作品を表現する事が作品を作る上で大事な事なんだとか。
これは、「どんな作品?」って観た人が見てない人に聞かれた時に答えられるという事にもつながる。
それは作品として頭に残るという意味でも大事だし、マーケティング的にも口コミ効果を生むという意味で大事だ。
って事で
サイコロジーオブマネーはどんな本か?
- お金に対して人間の心理的バイアスを解き明かしながら「欲を追求しない事」「”十分”を知る事」「淡々と分散投資を積み立てる」事などの重要性を教えてくれる本
という所ですかね。
結局欲を減らす事が幸福である
最近、ニコマコス倫理学の動画を見た。
アリストテレスの中庸と、釈迦の中道は根本的には少し違うぞって話ではあるんだけど「価値観がバランスしてるポイント」って意味では同じだと思う。
お金含め、承認等の欲求も「手段」であり目的ではない
人間の目的は「幸福」になることである、というのはあらゆる哲学で主張されてる。
けど「幸福ってなんだろう?」という疑問については具体的であればあるほど、結局その時代や、その人の環境によっては齟齬が生じる。
中庸にせよ中道にせよ、あらゆる状況、環境、性格、障害を考慮した上で自分にとってバランスした幸福を定めなければならない。
これは自分が見つける事であって、教えてもらう事ではない。
お金に話を戻そう。
僕は最近、サテライト戦略の一つとしてクリプト運用を再開してるんだけど、ここは欲の塊みたいな人が多い世界だ。
無限に稼ぐ事こそ、正義みたいな。
でも、人間はいつか死ぬ。
稼ぐという数字のゲームを楽しむのも一興だけど、それそのものが幸福と直結してる人はさほど多くはないと思う。
僕も直結はしてないと思う。
しかしこの界隈にいると「稼ぐことが一番」みたいな思想が正しいように思えてくる事がある。
人は環境に思想を支配されている
マークトゥエインは「人間は機械である」と論じた。
人は結局置かれている環境と性格的な気質のマッチングによって行動が決定づけられていて、本人が決めているわけではない。
だから「環境づくり」は非常に大切なんだと思う。
どんな世界であれ「そういう人たち」の中にいると「そういう人間」になってしまう。これは良い方向にも悪い方向にも働く作用だ。
お金に貪欲な人、承認に貪欲な人たちとともにいれば、自分もそれらを求めるようになるだろう。
愚痴や文句に満ち満ちている界隈にいればそういう発言が増えるだろう。
なにかのスキルを探求したり、研究に励んでいる人たちとともに時間を過ごせば、自分もそういうった探求に時間を費やすようになるだろう。
良くも悪くも作用する。
だから、環境づくりが大事だ。
セミリタイア界隈は「悪くない環境」だと思う。
セミリタイア界隈にいると仕事をする意欲が失せていくように感じた事がある。
でも思えばそれは「足るを知る」を納得できる環境だったが故の結果だとも言える。
お金と仕事が結びつきすぎていたから発生しただけに過ぎない。
「作品数を増やす、多作の作家になる」というのが僕の一つの夢だった。
これはお金とは関係しているが直結はしていない、何に人生の時間を捧げるかという話だ。
セミリタイア界隈にいてもこれは出来る。
怠惰な人も多い世界だけど、お金に縛られずにやりたい事をやっている人が多い世界でもある。
だから、ここは悪くない環境だ。
「知足」と「無駄遣いしない事」という思想を身につけるには最高の環境だろう。
そして、この界隈の人たちは主にギャンブル的な投資に手を染めない安定志向な傾向があるから、「積み立て分散投資」についても定着させられると思う。
だから、この界隈にいれば、お金に困る事はまずないだろうと思う。
まとめ
- お金や承認など欲求については「知足/無駄遣いしない」を大事に
- 投資は分散積み立てをしながら、サテライトは趣味程度に
- 環境に左右されるから環境設定を大事に。
- お金に関してはFIREムーブメント以前から清貧セミリタイアやってる界隈が一番安置だと思う
サテライトで稼ごうとするより仕事を楽しむ術を見つけるのが自分にとっては幸福と直結してそうだと感じる。
結局FIREなんてフォーカシングイリュージョン、その日その日を楽しめる環境作りをしていくのが一番なんじゃないだろうか。
この本を読みながらそんな事を思ったり思わなかったりした。
読書レビューでもなんでもなくなったけど、そんな感じ。
適当に書いたけど、すごく名著だと思った。
お金について振り回されてるな、と感じた時に読み返したい。暇な時にペラペラめくる癖をつけたい。
人間は忘れる生き物だからね。