隠れて生きよ ~いのいぬ.com~

漫画描きが、漫画や絵の事、作品レビュー、セミリタイアや哲学などについて書いてます

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この世は狂人たちが作ったオリンピック

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「この世は狂人たちが作ったオリンピック」ってのは太宰治が遺した言葉らしい。

最近、クリプト運用も再開したのでクリプト用のSNSを観る頻度が増えたのだけど

まさにこの言葉が当てはまると思った。

お金があるのにお金を追いかけてる様子は、終わりのないレースをさせられているようだと思う。

僕はその様子を見て「利回りはそこそこでも、手間のかからない方法を取ろう」と決心をした。

決心ができたのはサイコロジーオブマネーの影響は大きいと思う。

  • 強欲な人が自ら犯罪や、大きなリスクをとって退場していくという話
  • ゆっくり金を増やすというのは簡単だが、焦ると失うという話
  • テールイベントを拾うために分散するという話
  • 他のゲームをしている人(この場合短期的なトレードや無限に稼ごうとするゲーム)に惑わされてはいけないという話

などなど。

より多く稼ぐことはあまり意味がない。

ただ、お金という指標を失ったあとに、何を指標にすればいいのかわからなくなる事もある。

僕は以前、作品を一冊でも多く描く事を指標にしていたのだけど、それがいまいち働かなくなってきている。

一時的な、こういう気休めを作り続けないと人生、途方にくれることになってしまう。

陸のない海で泳いでいる感じ

最近よく聞いてる仏教解説のキクタニさん。

浄土真宗はよくわからんのだけど、解説が面白いので聞いてる。

そのキクタニさんが言うに「人生とは陸の無い海で泳いでいるようなもの」*1

らしい。

いずれはみんな力尽きて死んでしまう。

その間に、一時の気休めとして「丸太のような漂流物」にすがる。

しかし、その丸太にもいずれ飽きて、次の丸太を探す。

それを繰り返していくのだと。

なんとも虚無感を覚える話だけど、事実だ。

その丸太がずっと飽きずにいられるものであれば、ある種幸せな人生かもしれない。

丸太がなくても泳ぎ続けられる方が幸せなのだろうけど

amazarashiが歌っているように

人は脆いものだから すがるものは多い方がいい

帰ってこいよ

帰ってこいよ

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というのが実情で、何もすがるもの(丸太)が無い状態で生きるのは難しいのだろう。

話を戻せば

お金、もしくはSNSなどの「お金儲かった(使った)自慢」なども一つのすがるものだ。

その人も同じ虚しい世界で生きていて、一時的にそういう丸太にすがっているだけに過ぎない。

抜け出すにはどうすればいいのか

アーミッシュの子供は16歳になると、一度親元を離れて俗世で暮らす「ラムスプリンガ(rumspringa)」という期間に入る。ラムスプリンガではアーミッシュの掟から完全に解放され、特に時間制限もない。ラムスプリンガを終える際に、アーミッシュと絶縁して俗世で暮らすかどうかを選択するが、ほとんどはアーミッシュであり続けることを選択するとされる。この模様は『Devil’s Playground』というドキュメンタリー映画の中で語られている] お金が人を幸福にしない理由:心理学実験から | WIRED.jp

世の中にあるあらゆる結果は構造の結果だと言える。

僕たちがこのオリンピックを開催している世界に生まれてしまったために苦しみを感じる事も一つの構造だ。

偶然の結果、国、親、持って生まれた気質や才能、あらゆるものを背負って、その結果どう感じるかが決定する。

抜け出すのは、簡単な話ではない。

ただ、

このオリンピックに参加するのをやめるという決意をすればいいだけなのだけど

それは難しい。

とてもむずかしい。

それをやめた途端、何にすがれば良いのかわからなくなるからだ。

きっと一度燃え尽きる。

そして、そのまま燃え尽きて終わるかもしれない。

なんの指針もなく、目的もなく、ただ楽しむというのは

お金や承認よりはるかに重要で、価値のあるスキルなのだと思う。

みんなその能力はもっていたのだけど、多くの人がやがては失ってしまう。

特にいまはSNSの時代だから、失ってしまった人は少なくないだろう。

柔軟さ。

先日、先輩が自殺したという話を聞いた。

僕はこのオリンピックから本気で抜けたいと思った。

でも、人はいつか死ぬのだという苦しみを抱えて生きるのは辛い。

常に何か、ごまかすための丸太を探して生きていた方が楽なのかもしれない

その丸太として、力が強いのはお金や承認だ。

しかしその丸太自体が毒である事も事実だ。

すがり続けられる丸太があればいいのだけど

いや。

すがる丸太を平気で変えるスキルを身につけるべきなのだろうか。

柔軟さ。

そうか。

ダニエル・カーネマンがファストアンドスローを書いている時のエピソードがあった。

気 が つく と カーネマン は、 それ までとは 別物 かと 思う ほど 書き換え られ た バージョン の 原稿 を 送っ て くる。 書き出し も 終わり も 違っ て いる。 思い も よら ぬ 逸話 や 証拠 が 加え られ て い て、 聞い た こと も ない よう な 研究 結果 が 引用 さ れ て いる。 「どう すれ ば 元 の 原稿 の 痕跡 が 見当たら ない くらいに 書き直せる ん だ?」 と 尋ねる と、 忘れ がたい 答え が 返っ て き た。

「僕 にとって、 現時点 では まだ サンクコスト は 発生 し て い ない から だ」。 彼 は そう 言っ た の だ。 サンクコスト とは、 すでに 投じ られ た 回収 不可能 な コスト の こと だ。 これ は、 時間 とともに 人 の 考え が 変わる 世界 では、 悪魔 の よう に 厄介 な もの だ。 サンクコスト は、 未来 の 自分 を、 過去 の 自分 の 囚人 に し て しまう。 それ は、 人生 の 重大 な 決断 を 他人 に 下さ れる のに 等しい。ーサイコロジーオブマネーより引用

そうか、お金も承認も、仕事に対しても、サンクコストを抱えているから

次の丸太を探せないのかもしれない。

これが答えなのかどうかはわからないけど、

書いてるとたどり着くこともやはりあるもんだ。

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