読んでる。
主人公は末期がん患者で、瀬戸内のホスピスでの生活を描いた小説。
序盤。
主人公がいい人でいようとすること、そのために沢山の我慢をしてきたことが描写されている。
印象的なシーンがあった。
主人公は少しお高い、好きなブランドもののワンピースを購入しようとする。普段なら手が出ないが、最後の洋服として購入を考えている。
そんな状況でも「もったいない、どうせ燃やしてしまうのに、どこかに寄付でもした方がいいのでは」と考えている主人公の姿があった。
我慢をして、いい人でいようとして。
それで誰も傷つけないようにしようとすることが、自分を苦しめている事を自分ではわかっていてもやめられない。
そういうものは、本当に最後の最後まで連れて行かなきゃいけない「自分自信」だったりするのだろうかと思ったら、泣けてきた。
人におかしな迷惑をかけたり、法律を破ったりするのでなければ、それなりのわがままくらい別に構わんのじゃないだろうか。
最近、よくわからないのだけど、おそらく何かの病気だろうという人を立て続けに見かけている。
頭に大きなコブが出来たお爺さん。
奥さんらしき人と歩く、首の裏側が腫れ上がった男性。
首元に大きな腫れがある女性。
無常を感じる。
僕らはいつか必ず死ぬのだという不条理さを感じる。
その「いつか」が「いつ」かわからないだけで必ず死ぬ。
もう許したった方がええ。
許してやった方が、いい。我慢ばかりさせるな。自分に。