漫画家業というのは人気商売なので
やはり売れ行きが悪くなると仕事がなくなるわけだ。
ピークは過ぎたとはいえ、僕はまだかろうじて仕事はできているけど、
正直なところ
この人気商売を続けるという事が自分の思想もマッチしなくなっている。
漫画家として生きられなくなるなら、死んだも同然。
僕はアイデンティティはそもそも、そこにしかない。
外界との関係がそこにしかない。
やめてしまえば、おそらく死んだも同然だろうと思う。
とはいえ、
絶望はしていないように思う。
人間はただの散逸構造だ。別に、何かである必要もないのだから。
とはいえ
その支えなしに生きていく自信もない。
しかし、合わない行動を取り続けるのもまたストレスにもなる。
絵は描いていたいと思うけど
それでお金を稼ぐというのも疲れる。
しかし
お金がなければ、生活は不安定になる。
不安定を生き抜くほど、僕の精神は立派なものではない。
ほんと、人間というのは
どこまでも不幸で苦痛だらけの中を生きなければいけないのだなと。
楽に死ねる方法があるのならすぐに手を出すだろう。
言葉は不適当かもしれないが、
死ぬという勇気がないから生きているだけなのだ。
この考え方はさほど少なくはないと思う。同じような事を考えている人は少なからずいると思う。
この世界は苦だ。
そこから抜け出すには我欲を捨てるしかない。
僕にとっての我欲とは一体なんなのだろうか。
それすらわからなくなってきている。
僕はもう死んでいるのかもしれない。